星を継ぐもの

20140315

以前、ヴィレヴァンで購入した「星を継ぐもの」。それを、読み終えた奥さんが「面白いので早く読んでみて」という事なので、早速読んでみました。

僕自身はSF小説を読む事が殆どない。その大きな理由は、まずフィクションがあまり好きではなく、その上、SFは現実とあまりにかけ離れた話しが多いんじゃないか?という事。僕の中でSFというものは、スターウォーズ的なものなんですね。

ただ、この本は僕が思い描いていたSFとは全く別物だった。科学的な根拠に基きながら、ストーリーが進行していったからだ。フィクションだが、フィクションとは思えない…。なんだかこういうのをハードSFというらしい。

ハードSF (Hard SF, Hard science fiction) は、サイエンス・フィクションのうち、主流あるいは「本格」SF (ハードコアSFとも)、科学性の極めて強い、換言すれば科学的知見および科学的論理をテーマの主眼に置いたSF作品を指す。また、そのようなスタイルを指す。

【星雲賞受賞作】 月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの新星が一世を風靡した出世作。

上記の引用文を読んでもらえば分かるとおり、主に死後5万年経過している死体が発見された事によって、物語は進行していく。といっても、この本の大半の内容は、物理学者、数学者、言語学者…等、学者のコミュニティーの中で、各々の科学的知見から仮説が立てられ議論が行われ(対立もあったり)…交流が新たな発見に繋がり、時折新しい証拠が上がってきたり、その発見によりまた新しい仮説が立てられ、議論され…といった感じで、謎を少しずつ解明していく様子が描かれている。予備知識もなく、この本を読んでいるため、著者のP・ホーガンが立てた最終的な仮説に至るまでに、いくつか立てた仮説を読んでいるかのような気分にもなり、P・ホーガンって人は学者なのか?と思ったが、違った。

ここ最近の2010年頃からの話題だと、絶滅したネアンデルタール人の遺伝子が、現生人類にも入っているらしいが、このような新しい発見については、仕方ないが1980年代初版のこの本の内容には反映されてない。しかしながら、ミステリー自体はとても興味深いものだった。それは我々現生人類との関係を紐解くものでもあるのだから、その周辺の興味深い話題や、結果を知りたくて、どんどん読み進める事ができた。とにかく、この本はめちゃくちゃおもしろかった。とりあえずハードSFとされる他の作品を読んでみたくなった事は間違いない。そして、最終的には結果が分かるんだが、ダンチェッカーの熱弁に含まれてた数々の言葉に僕は感動した。

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