知の逆転

興味深い話しばかりだったが、意外と読むのに時間がかかってしまった。

知の逆転は、現代の偉人6人(ジャレド・ダイアモンド,ノーム・チョムスキー, オリバー・サックス,マービン・ミンスキー,トム・レイトン,ジェームズ・ワトソン)へのインタビュー集。インタビュアーは吉成真由美さんで、この方の質問がとても素敵だった。あと、インタビューの内容そのものより、吉成さんの持っている語彙が途中から気になり始め、実はそっちの方が収穫が大きかったんじゃないかと思ったり…。

話題としては、低レイヤーで身近なものも多かったように思え、日頃なんとなく疑問に思っていた話しもあった。例えば、マービン・ミンスキーが語っていたTwitter、facebook、インターネットのお話とかは共感した。

わずか100人の個人が、知的革命によって西欧の科学というものを形作ってきたわけで、大衆の「集合知能」のほうは、逆に科学を何百年も停滞させてきたのです。

つまらない考えを持った人たちがあまりにもたくさんいて、ネットはもうそれほど役に立つものではなくなってきているように思えます。

というか、耳が痛いですよね。我々一般人は大した事もできなく人生を終えるわけですが、既に凄まじい実績を残している人からすると、本当に屑なんだろうなあと…なんか読んでいて自分は屑だなあと思える本でもありました(笑)ただ、僕は90年代からインターネットを接続して、メディアの中の人であった事もあるし、実際にプログラマーとしても働いていた事もあり、この分野だと一般人とはちょっと異なる見解は持っていると思いますが、僕自身、インターネットは、以前に比べてそれほど面白いものと感じなくなりました。

昔は、大学生やその関係者、一部のコンピューターマニアが多かったので、けっこう簡単に濃い情報にありつけたと思います。一般人がネットに見向きもしない中、ネットを接続しているというのは、そこにいるだけで前衛的な人達なんだろうな?とさえ思っていました。そして、今は、スマホでアプリのインストールくらいが分かれば、ネット上のインフラを簡単に利用する事ができる敷居の低いものとなった。人が増えた分、興味深い情報にありつけないし、探す労力を考えると、著名人の本を読んだ方が楽だなあという結論になりやすく、自然と足が遠のいていった感じですね。

そう、この本は、ネット上では得られにくい、濃い話題を聞いてみたいっていう人には、いいんじゃないかなと思いました。うーん、もうちょっと早く読めばよかった…。

ジャレド・ダイアモンド

ジャレド・メイスン・ダイアモンド(Jared Mason Diamond, 1937年9月10日 – )は、アメリカ合衆国の進化生物学者、生理学者、生物地理学者、ノンフィクション作家。現在、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教授。
著書『銃・病原菌・鉄』で1998年度のピューリッツァー賞(一般ノンフィクション部門)、1998年コスモス国際賞を受賞した。また、1999年にアメリカ国家科学賞を、2013年にウルフ賞農業部門受賞している。

ノーム・チョムスキー

エイヴラム・ノーム・チョムスキー(英語:Avram Noam Chomsky、1928年12月7日 – )は、アメリカ合衆国の哲学者、言語哲学者、言語学者、社会哲学者、論理学者。 彼は50年以上在籍するマサチューセッツ工科大学の言語学および言語哲学の研究所教授 (Institute Professor) 兼名誉教授である。

オリバー・サックス

オリバー・サックス (Oliver Sacks、1933年7月9日 – )は神経学者。2007年7月よりコロンビア大学医科大学院教授。自身の扱った患者について記した一般啓蒙書を多く記している。彼自身は、これら著作について、19世紀の医学秘話(文芸的筆致の非公式な傷病録)的な性質のものであると考えている。彼が好んで挙げる例としてアレクサンドル・ルリヤの『偉大な記憶力の物語』がある。

マービン・ミンスキー

マービン・ミンスキー(Marvin Minsky, 1927年8月9日 – )は、アメリカ合衆国のコンピュータ科学者であり、認知科学者。専門は人工知能 (AI) であり、マサチューセッツ工科大学の人工知能研究所の創設者の1人。初期の人工知能研究を行い、AIや哲学に関する著書でも知られ、「人工知能の父」と呼ばれる。現在ダートマス会議として知られる、”The Dartmouth Summer Research Project on Artificial Intelligence (1956)” の発起人の一人。

トム・レイトン

1998 年にアカマイテクノロジーを共同設立し、アカマイのチーフ・サイエンティストを 14 年間務めた後に最高経営責任者に就任。

アカマイの CEO に就任する前は、MIT の応用数学教授を務め、MIT コンピュータ科学人工知能研究所 (CSAIL) のメンバーでもありました。

コンテンツデリバリー、インターネットプロトコル、ネットワーク用アルゴリズム、暗号文、Digital Rights Management などに関する数多くの特許を保有。

ジェームズ・ワトソン

ジェームズ・デウィー・ワトソン(James Dewey Watson, 1928年4月6日 – )は、DNAの分子構造における共同発見者の一人として知られる、アメリカ出身の分子生物学者である。ワトソン及び、フランシス・クリック、モーリス・ウィルキンスらは、「核酸の分子構造および生体における情報伝達に対するその意義の発見」に対して、1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
イリノイ州シカゴ生まれ。シカゴ大学卒業後、米インディアナ大学大学院で生物学を専攻。

1968年から1993年にかけてニューヨークのコールド・スプリング・ハーバー研究所の所長、1993年から2007年までは会長をつとめた。1989年から1992年には、NIH(国立衛生研究所)の国立ヒトゲノム研究センター初代所長もつとめる。全米科学アカデミー及びイギリス王立協会(ロイヤルソサイエティ)会員。大統領自由勲章、全米科学界の栄誉とされるアメリカ国家科学賞を受ける。ウッズホール海洋生物学研究所の在籍者の一人。
2007年5月31日には、ベイラー医科大学と米バイオ企業「454ライフサイエンシズ」が共同で解析したワトソンの遺伝子情報が、国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のデータベースに公開された。誰のものかが明らかにされているゲノム情報が公開されたのはこれが史上初である。

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