【1000円以上送料無料】東京百景/又吉直樹 |
そろそろ感想を書いておかないと忘れそうなのでざっと書いておく。
ピース・又吉さんが書いた自叙伝的なエッセイ集。18歳で上京し10年経った頃に「マンスリーよしもとPLUS」で連載コラムをはじめ、その連載に加筆、修正加えた初となる単行本で、これを書き終えた時は32歳。タイトルどおり、東京が舞台となっており、著者の思い出深い街に纏わるエッセイ、私小説的な話が100ほど綴られている。切ない物語も多いが、爆笑した話しも多かった。話し手として強く魅力を感じた一冊でした。
といった内容なので、又吉さんのファンではない人にこの本を薦めるのは少々難しいかもしれないが、2010年辺りからテレビの露出も増え、最近は相当な知名度があるんじゃないかと思われるし、テレビで最近見かけるあの人を知るには今からでも遅くないですよね。
僕自身は又吉さんの漫才やコントはあまり見た事がなく、彼の事は殆ど知らなかった。バラエティー番組のいわゆるひな壇で出演している時や、アメトーークで出演している時にチラっと見る程度で。といっても、又吉さんの独特なトークは、印象に残り続け、直感でも強い魅力があるなと感じていました。それが、日々積もり、この人の事を本当に知りたいという気持ちが強くなったというのが、東京百景を読むきっかけです。
印象に残ると言っても、テレビを見た時は、あまり笑った事がなかった。しかし、この東京百景を読んだ時は何度も爆笑した。どうしてテレビではあまり笑えなかったんだろう?と考えると、又吉さんに与えられる時間的なものと関係しているのかもしれないと思った。
この本は、短くて半ページ、長くても10ページくらいで話しが完結していくんだが(全体的に読んでいくと、1本の話しがより面白くなる感じられるかも)、一話読むのに、数秒〜5分、10分程度しかかからない。(そういう意味では、電車の中で読んだりするのもいいかも)当然、又吉さんの視点で状況等を含めながら物語は進行し、ふとオチがきたりする…。状況等を含めながら話しをするのは、バラエティー番組では難しい。出演者も多いし、どうしても一人の人に長い時間スポットライトが当たらないからだ。つまり、この人は、ある程度纏まった時間が与えられて話す時に、強い魅力を感じるんじゃないかって。(例で言えばすべらない話しとかですかね)
上記の仮説からいくと、東京百景は、又吉さんの面白さが引き出される環境そのものが整っているので面白くなる。いや実際に面白かった。というか、度々話題としても出てくるが、本と生活が密着しているような感じで、飯か本を買うかの選択肢に迫られるだけでなく…本を実際に食べている!(笑)そんな人が書いた本というのは、文才もあり、必然的に面白くなるものかもしれない。ただ、面白いだけではなく、東京でくすぶっていた時間も相当あるので、切ない物語も多い。しかし、読後感はそう悪くない。楽しい東京の夜が始まるから。
個人的には、テレビでも話されていた太宰に纏わる話しや、七十六 池尻大橋の小さな部屋は印象に残りやすい話しだったかな。というか、話しを振り返る時に、目次利用するが、目次自体が東京の地名ばかりなので内容が分からない(笑)
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